日が暮れるのも早くなり、5:00にはもう真っ暗になってる。

僕は美月を昇降口に呼んだ。

別れを告げる為に。

今の時刻は3:00。


僕は昇降口で待っていた。

すると、美月が時間通りに昇降口に、来た。

今学校にいるのは、先生を除いて2人。
の筈だった。

午前中はあんなに晴れていたのに、今は雪が降ってきた。

美月が来た事に降り始めたから、まだ積もってはいなかった。

そして、僕は言った。


「付き合ってから1年が経ったんだけど、僕が想像していた恋愛と全然違かった・・・。それに、付き合っているだけで遊べないし、話せない。祭りも一緒に行きたかったのに無理。それに・・・それに、記念日すらも忘れている。だから僕は決心したんだ。」


「・・・。」


「別れよう。」


そう僕が言った時、

「ガタッ!」

っと物音がした。

美月ではなく、

「他の誰か」

だとは思ったが、誰もいる気配は無かった。

美月は、

「そうだよね・・・。私もいつか言おうと思ってたんだよ・・・。秀李は私みたいにスポーツとかできない人よりも、希那ちゃんみたいに出来る人の方が秀李には似合っているよ。」

「それから、私とはもう関わらないようにしてね。」


僕は、

「うん。それじゃあ1年間ありがとうね。」

と言い靴を履き替え外に出た瞬間。



さっきの物音が何なのかがハッキリしたのだ。


美月が来た後に雪が降り始めた。

だから、雪が積もらない限り足跡は付かないはず。
だ。

だが、外を見る限り今日の雪はすぐに積もる様子だった。

だから、僕が伝え終わって帰る時には足跡も無く真っ白な雪の絨毯がひかれている筈だった。


だが、僕が帰ろうとした瞬間、それは目に入り込んできたのであった。

その、ものとは・・・。

僕や美月、先生達のではない、

「誰かの足跡」

だった。

だから、さっきの別れを告げた会話は誰かに聞かれていたと言う事になる。


その誰かとは・・・。


希那だ。


少し時間(とき)を遡る。



美月が昇降口に入ろうとした時に、忘れ物を取りに戻って来た希那が美月に気付き声を掛けようとしたが、廊下に秀李がいるのを見つけ声をかけれなかった。

そこで、希那は3階に行こうと靴を脱いで靴箱に入れようとした時、
秀李の

「別れよう。」

に驚きつい靴を落としてしまった。

何か話している事は聞こえてはいたが、この言葉には驚いた。

私は忘れ物の事もすっかり忘れそのまま秀李達の会話を聞いていた。

そして、希那は秀李の最後の言葉

「うん。それじゃあ1年間ありがとうね。」

と言い、こっちに向かって来ている事に気付き雪が降っている中、傘もささずに急いで帰った。
その時、希那だけの足跡が痕跡として残った。

そして、その時についた足跡が秀李の見た足跡だった。


でも、秀李はその足跡は誰の足跡なのか知っていた。

だから、秀李は態と希那の足跡をバレなくするように希那の足跡を重ね踏み、帰って行った。


なぜ、秀李が足跡が希那のだと分かったのは、秀李が靴箱に向かってきた時に、希那の横顔が見えたからだった。


そして、冬が終わり、恋も終わった。