僕は、美月にメールを送った。


待ち合わせは、「1:00」と、
今の時刻は、10:00集合までは、3時間程だった。


それなのに、返信がこない。


1時間が経ち11:00になった。

すると、美月から返信がきた。


「急用が出来たので、今日行けなくなりました。ごめんね・・・。でも、5:00までなら遊べるよ!」

と、

僕はこの1通のメールで、美月の事が嫌いになった。

昨日まで、

「急用はないから、明日夏祭り行ける」

と言ってたのに、当日にこのメール

僕は、

「なら、今度でいいよ。」

とだけ送った。

「5:00までなら、大丈夫なんだよ?」

とは来たが、僕は当分美月とはメールや会話をしたくなかった。

だから、このメールも返信しなかった。


僕の思っていた恋愛とは、全く違かった。

だから、僕は、

「美月でなく。他の人と付き合えば良かった。」

と思うようになった。

それから、美月からも連絡が来なくなり夏休みが終わった。

*

夏祭りは結局どうなったのかと言うと、急いで人を集めて一緒に歩き、一緒に花火を見たりお囃子を見た。


一番思い出に残っているのは、

「大きいハートが闇に消えていった」

花火だった。

僕はこの花火を見たとき、僕らも初めは色々な事をしたが、
あの花火のようにいつの間にか僕らの恋も消えるのだと思った。


*

駅伝大会当日。

この日は平日。駅伝部以外の人は学校でいつも通りの授業が行われる。

美月から、応援のメールは来なかった。

大会会場に来る前に、一度学校に、集まる。

その時に美月と逢ったら、僕は無視しようと思った。

案の定美月と逢った。けれど、美月から僕を見向きもせずに無視して校内に入って行った。


僕は今年念願のAチームに入る事ができた。

開会式中に急に吐き気が僕を襲った。

なんとか堪えた。

次の瞬間、僕は倒れていた。
僕の隣には他の学校の先生がいた。

「大丈夫か?」

と、言っているのが聞き取れた。

僕はこの時、頭が朦朧としていた。

吐き気は治っていたが、隣にいる先生から話し掛けられても何を言っているのか分からない程耳が聞こえなくなった。

開会式と言う事もあり、生徒の人達は静かだったのが良く、少しではあるが、先生の声が聞き取れた。

列の後ろに、横になった。

僕が通っている学校の保健室の先生が駆け付けてきて、すぐに冷やしてくれた。

やはり、何を言われてるのかが分からなかったが取り敢えず頭を縦に降った。

すると、駅伝の係で来ていた3組の先生も僕のところへきた。

すると、保健の先生と3組の先生との会話で、「貧血」と言う言葉が聞き取れた。

長時間立っていたのもあり、貧血になったのではないかと言っていた。

すると、いつの間にか少し離れた所に僕と同じく倒れていた人がいた。

開会式が終わり、同級生が僕のところへ駆け寄ってきた。

選手と言う事で先輩にも、声を掛けられた。

僕はなんとか立ち、自分達の休憩所?に行き水分をとった。

けれど、まだ頭がくらくらする。

それから、立つ度に立ちくらみがした。

なんとかスタートまでには、走れる程に復活した。

タイムも自己ベストだった。

女子のAチームは入賞したが、男子のAチームは惜しくも入賞を逃してしまった。

今年は男子のチームは3チーム出た。

そのうち、B、Cチームは残念な結果で終わった。
Cチームは、時間に間に合わず繰上げスタートだった。



大会も終わり学校に帰った時、時刻は4:00を過ぎていた。

会議室で、ミーティングをやった時に駅伝部の顧問の、先生からの話しで、貧血で倒れる人はいる、繰上げスタートをするチームもいたから、怒られると思った。

けれど、予想外に謝られた。

それは、毎年2チームしか出していないのに今年は3チームも出し、それなのに、繰上げスタートまでしてしまった。

だから、先生は僕らに「恥」をかかせたと思っていたの、だと思った。

Cチームの人達は、自分達のせいで迷惑をかけたと勘違いして、泣いてる人もいた。

でも、僕から見てCチームは速いとは言えないメンバーだった。

先生も僕と同じ考えだったと思う。


それに、涼風もCチームだった。

僕は胸がズキズキした。

練習中一緒に走っていた涼風だったのに、練習でも本番でも僕とこんなに「差」が着いてしまうとは・・・。

涼風は、サッカー部だ。

それにキャプテンだ。
サッカーでは、校内でずば抜けて才能があると思った。

サッカー部では、自分勝手の人が多く、色々と問題を、起こしている。

そんな事もあるせいか、大会で一度も勝ったことがない。

でも、自分勝手ではあるが一人一人プレイが上手い人はいるのだ。
だが、サッカーは個人ではなく、「団体」だから、一人一人が良いからと言っても一人一人自分の事だけで周りの事もなど一切目に入っていない。

涼風は、そんな人達の為にゴールキーパーをしながらフォローしている。

だから、僕はここの学校よりもっとサッカーが強い学校に涼風は行った方がいいと思った。

だが、僕はそれを口には出さなかった。

なぜなら、大切な『友達』を一人失う事になるからだ。

僕は、涼風とだけは離れたく無かった。


そんな色んな事があった夏も

「数日しか生きられない蝉の鳴き声」

と共に静かに終を告げた。