あはは、ホントアイツらも馬鹿だよねー。
全部狙ってやってるってのにさ。
全国No.1の王様、迅がおもむろに近くにあった
バットを手に取った。
そして腕を振り上げて数十メートル先にある空き教室の窓にむかって投げた。
ガッシャーンという大きな音をたてて割れた窓ガラスにあわせて散々騒いでいた俺らの周りも静まり返る。
シーンとした中迅が低い声で口を開いた。
「千夏に手出したヤツは誰であろうと潰す」
威圧感のある殺気立った低い声。
幹部のヤツらも周りにむかって殺気を出して睨んでいる。
お姫サマは俯いているが髪の隙間からニヤリと歪んだ口元が見えた。
おーおー、もっとちゃんと隠さないとバレちゃいますよー。
なんでみんな気づかないんだろうね。
あんなに分かりやすいのにさ。
悔しそうな顔してお姫サマを睨む女。
醜い顔を隠して可愛い女の仮面をつけるお姫サマ。
それに気づかない哀れな男。
クスクス、ホント滑稽だねー。
くっだらない。


