2人で話しながらあるひと部屋の鍵を開ける。
そのままリビングまで行き、ポツンと寂しく置かれている白いソファーに腰掛ける。
「深憂たーん!」
「私の名前にたんなんて付けないでください。私の名前は深憂(みゆう)です。抉り出しますよ?」
「なーんでー!深憂たんってかぁいいじゃん」
そう言うと冷たい目であたしを見つめた後、深いため息を吐いた。
えー、かぁいいじゃんねぇ。深憂たん。
むしろもう何年もこれで呼んでるんだから慣れればいいのにー。
「まぁそろそろ本題ってことでー」
深憂たんと向かい合い口を開く。
「アイツらの行動は?」
「いつも通り変わりはありません」
「そっか。あの人にはバレてないでしょ?」
「はい。まったく気づいてないようです」
バレるわけないんだけどね。
自分しか見れてないあの人には。
「あたしの目的にあの人は邪魔だからねー。
早く片付けちゃわないと」
ホントあのくそじじィ。さっさと隠居でもしろっつーの。
そうすると、どこからかガサゴソと何枚かの資料を持ってくる深憂たん。
「次のターゲットの資料です」
「えっありがとー!」
その資料をパラパラとめくり目を通す。
「あたしが情報集めるからいいって言ったのにー。深憂たんだって監視で忙しいでしょ?」
「お嬢様ほど忙しくはありません。」
「えー?深憂たんの方が忙しいと思うけどな、いろんな事頼んじゃってるし」
「ガキは黙ってありがとうと言っとけばいいんです」
相変わらずの毒舌な物言いにクスクスと笑いがでる。
「……別に暇だからやっただけです。勘違いすんなです」
顔を逸らし、長年一緒にいるあたしぐらいにしか気づかないくらいに頬を赤く染めながら言った深憂たん。
「毒舌ツンデレ最高ですっ!!」
「……帰ります」
「あーっ!待って待ってー!」
もー、深憂たんたら本当に可愛いんだからー。
あんな可愛い顔で毒舌なうえにツンデレなんてあたしのお嫁さんにしたいねぇー。
嫌そうな顔で振り返った深憂たんにニッコリと笑ってある頼み事をする。
「あたし達の高校、西涼高校の男子制服って、用意できる?」
*鏡羽side end*


