「あたしの名前は鏡羽(みはね)。
名字はひみつ♪」
「ふーん」
女、鏡羽はエレベーターに付いている暗証番号を打ち込みながら言った。
そしてこちらを振り向き、笑顔で言う。
「よろしくね、ライ」
「ライって何」
「ライはライでしょー?それともライちゃんの方がよかったー?」
「えぐり出す」
「あはっ!ごめんて、怒んないでー」
チンという音と共にエレベーターの扉が開き、
長い通路を歩き出す。
「暗証番号はあとで覚えてねー」
「さっきのでもう覚えたー」
「わーぉ、さっすがぁー」
相変わらずケラケラと楽しそうに笑う女、いや鏡羽について行くと一つのドアの前で止まった。
「はいはーい、ここがあたしの部屋でーす!
みんなここで待ってると思うよ」
そう言って鍵を差して開けた。
靴を脱ぎ廊下を歩く鏡羽に俺もついて行く。
そしてリビングらしきドアを思いっきり開け、
「鏡羽、ただいま帰りましたーっ!」


