しばらく人通りのない道を歩いていると、
大きなマンションの前で足を止めた。
「はい、とーちゃく!」
「は…?」
たまり場ってここ?
いや、あきらかにちょっと高そうな高級マンションなんだけど。
「ここがたまり場なのー?」
「そっ。みんなここに住んでるの。だから家&たまり場ーみたいな?」
「ふーん」
大通りから外れた閑静な住宅街にそびえ立つマンションは、どこか暗く浮いていた。
女はエントランスでオートロックを解除し、中に入る。
「あたし達の部屋は最上階ね。下の階は物置とかで使ってるから」
物置って……。もしかしてこのマンション…。
「このマンションってアンタの?」
「そーだよ?言ってなかったっけ?」
女は不思議そうな顔で言う。
なるほどー。
ここは全部この女のものってことかー。
こんなマンション買うってことはコイツも相当の金持ちってわけね。
エレベーターに乗り、最上階に向かう。
「…そういえばアンタの名前は?」
「あっ!やっとあたしの事で質問してくれた
ね!
いつ聞いてくれるのかなーって待ってたんだ
よーっ?」
嬉しそうに笑いながら言う女。
気づいてたんなら自分から言えよ。
なんでそこまで嬉しそうなのか分かんないんだけど。


