「うわー、女に触ったから鳥肌たったんだけど。最悪」
「なんかホント酷いよねー」
酷いって言ってもしょうがなくない?
女キライなんだもん。
「それじゃ、行きましょーっ!」
「行くってどこに」
「もちろんあたし達の、えっと、たまり場って
やつ?」
そう言って俺の腕を引っ張り歩き出す。
なんで女キライって言ったそばから俺の腕触るわけ?
あ、ほら、せっかく収まりかけてたのにまた鳥肌たっちゃったじゃん。
「てかケータイ返せよ」
女の手にあるケータイを睨み付けながら言う。
「まだダーメ!渡したら逃げちゃうかもしれないでしょ?」
「今更逃げるかよ…」
「そーだろうけどー。ま、一応だよイチオウ」
そんな大切な内容入ってないから別にいいけどね。
あ。
「アンタのとこって女いる?」
「いるよー、一人。あとは男二人」
「うわ、女いんのかよ」
これ以上女に関わりたくないんだけど。
ずっと鳥肌たちっぱなしになっちゃう。
「あの子は男に興味ないっていうか、男嫌いだから大丈夫だと思うよー?」
「マジで?まぁ、アンタみたいなのじゃなきゃいいや」
「え、ヒドい」
「アンタみたいな女キライなんだもん」
「…ホントあたしにそんな事言うのはキミぐらいだよ…」
「ありがとう♪」
「褒めたワケじゃないんだけどー」
満面の笑みで言ってあげると呆れた視線を向けられた。