「それでどうする?あたしの仲間に、あたしだけの騎士(ナイト)になる?」
「騎士(ナイト)?」
「そう!あたしだけを守ってあたしだけのお願いを聞くの!」
楽しそうに満面の笑みで言う女。
「アンタがお姫さまだったとしたら、普通王子さまじゃないのー?」
「あたし、王子様は好きじゃないんだよね。
王子様とお姫様が結ばれるってつまんなくない?」
俺のケータイを握った手を振り回している女。
落としたら弁償してもらおう。
「どこの御伽噺でもお姫様は王子様と結ばれるじゃない?でもホントの話はそんなに王子様と結ばれないんだよ」
御伽噺ねー。シンデレラとか白雪姫とか?
あんまよく知らないけどー。
「人魚姫だって王子様にふられちゃうし、
シンデレラだってホントは義姉と王子様が結婚しちゃうの。
白雪姫も死んでる所を見つけた王子様じゃなくて、その王子様の騎士と結ばれたっていう話もあるし」
ふーん。
まぁグリム童話とかは子供用に結構話変えてるらしいしねー。
「だからあたしは王子様はイヤなの!
だったらお姫様だけを守る騎士がいいのー♪」
「だから騎士になれってー?でもそれだとアンタと俺が結ばれるって感じに聞こえるんだけど」
「まあまあ、それは置いといて~。
あたしだけの騎士になってくれたら、少なくともあたしの復讐が終わるまでは退屈させない」
軽く口角を上げながら真っ直ぐな目をして見つめてくる女。
あんなに世界に絶望してるような瞳なのに、
なんでどこまでも真っ直ぐな目をしてるんだろーねぇ。


