どっかの制服のスカートにワイシャツ、その上に黒のパーカーを着てフードを被っている。



顔が分からない女はニコニコと笑っている口元だけが見える。






「じゃあコレはどうかな~?」






そう言ったかと思えば女はそこら辺の不良共より速いスピードの蹴りをしてきた。



それを避けて俺も拳を出す。





ヒラリと避けた女が楽しそうに言う。






「女に顔面狙って殴ろうとするってどういうコト~」



「俺は女とか関係ないから」






女は俺の右拳を顔を傾けて避けて手のひらで受け止める。




そして拳を引く前に女は俺の拳を掴んだまま引っ張る。




倒れる体に合わせて蹴り上げようとする膝を寸前で空いてる左手で止める。






けど女はそれが分かっていたかのようにクルッと体を回転させ回し蹴りをかましてきた。





もろに受けた俺は吹っ飛ばされながら、空中で体勢を整え着地した。







思わず舌打ちが出た。






何だよあの女。スピードも威力も駕龍の幹部
並み……、特に最後の回し蹴りなんか迅以上
でしょ。







「わーぉ。アクロバティック~!」







ケラケラと相変わらず楽しそうに笑う女。