茉莉花の少女

 あのとき、一緒に過ごせない未来を知っていたのだろう。


 そう考えると、唇を噛み締めることしかできなかった。




 何度忘れようと思っても彼女との記憶は鮮明に僕の心に蘇る。

 君が与えてくれたぬくもりとともに。

 彼女はこの家で暮らしているときに、この花を見たのだろう。

 そのとき、彼女がこの花を見つめた結果が、笑顔であってほしい。



 そう切に願っていた。

   (終)