「何があっても茉莉だけは守ると思うよ。そういうやつだから」

 茉莉を大切に思っている兄がそう言うのだ。

 だから僕は彼女のためだと何度も言い聞かせる。

 僕はお礼をいうと、車をおりた。

 彼女の誕生日だけは一緒に過ごそうと決めていた。

 それが彼女の奇跡に相当するほどの出来事なら、最後の望みを叶えたかった。