茉莉花の少女

 その言葉に彼を見た。

 彼は表情を変えることもなく淡々と語っている。

「昨年の四月に言われた。彼の笑顔が見たいって。そのために、彼とどうしてもつきあいたいって。

それが彼女の婚約を受理する条件だった」

 僕が思い出したのは彼女の言葉だった。

 つきあうとき、彼女は僕と一緒でないと見れないものがあると言っていた。

 それが僕の笑顔なのだろうか。

 僕は目頭が熱くなるのを感じ、唇を噛む。

「きっと彼女は僕と結婚をしても、君の事を愛し続けるんだよ思うよ」