茉莉花の少女

 そんなことは差し迫った負債の前では意味のないことくらい分かっている。

「それと、君には力がないからだよ。君が働いていても、彼女を取り巻く環境が変わるわけでもないことも明らかだ。

優人だって精一杯やったと思うよ」

 彼の言うことは正論だった。

 どんなに親を嫌悪しても、学業である程度の成績を収めても、僕が彼女を守ることだけはできないのだ。

 もし、将来、僕がお金を手にすることができるとわかっていたとしても、今、手にできないと意味がないのだ。

 時間というのはあまりに無情だと感じていた。