僕はうなずいた。

 茉莉に掛ける言葉が見つからなかったように、優人さんに対してもそうだった。

 彼が全てを知っていても同じだった。

「悪かったな。あいつのわがままにつき合わせて」

 僕は首を横に振る。

「相手の男に会いたいか?」

「え?」

 思いがけない言葉に彼を見た。

 彼はため息を吐くと、立ち上がる。

「会いたいならあわせてやるよ。あいつだって、茉莉がそこまで思っていたお前に会いたいだろうからな」

 僕は優人さんについていくことになった。