遥さんが優哉さんの病室を訪れた次の日。


私は怖くて優哉さんの病室にいつもの時間にいけなかった。



やっと決心をして優哉さんの病室に行った時、私は思いもよらない光景を目にした。



昨日も、今日も、どうして……。






「だれ?」





その一言で状況を理解するには十分だった。



2ヶ月も前のことなのに、鮮明に思い出される。



『大丈夫だよ。前の俺になっても、朋ちゃんのこと忘れない。それに俺は違う俺になっても朋ちゃんのことまた好きになる。大丈夫。だから泣かないで』




嘘、ついちゃだめじゃない。




優哉さんは今までにみたことないくらいの冷たい表情で私を見つめた。




そっか、終わりの時間がきたんだ。幸せのおわる時間。







「やだなぁ優。教えたじゃん。朋美ちゃんだよ!ほら、優がかばって怪我した子」
「あぁ、そっか。君が朋美ちゃんか。よろしくな」
「ねえ、そんなことより早く続きしようよ~」





ふたりの顔が近づく。


そして、長い長いキスを交わし、優哉さんが女の人の身体に手を這わす。





「ねえ優。朋美ちゃんがみてるから」
「迷惑だから、そろそろでてってくんね?」






一瞬優哉さんがこちらをみた。


それからはもう、私の顔なんか見もしない。




この人は、誰なんだろう。



本当に、私の好きだった人なのだろうか。




私は黙って病室をあとにした。