「あ、朋ちゃんだあ」







 ドアを開ける。


 私をみた彼は、ふにゃりと微笑む。



 私の数少ない、休まる、幸せな場所。




 優哉さんのすぐ横にパイプいすを持ってきて私は腰を下ろした。









「制服可愛いね」
「そう……?セーラーまだなれていないんだ」











 あははっと笑う私を優哉さんは悲しそうな目で見る。



 やめて。やめて。




 そんな目で、見ないで?





 私はわざと明るく見せた。










「優哉さんは、もうすぐ退院出来そう?」
「そうだなー、どうだろう。そういえば朋ちゃん、仲良い子できた?」













 いない、けれど。



 素直にそれを言えるわけもなく黙ってうつむく私。











「出来てないの?」












 顔を上げると、優哉さんは眉を下げていた。



 私は急いで訂正する。










「私には、憐ちゃんがいるしね」










 あはは、っと笑ってみせる。


 けれど優哉さんはもっと困った顔をした。










「朋ちゃんは、憐くんのこと、好き?」