はぁ・・・やっと落ち着いたかも~♪

普通科の校舎に芸能科の生徒はいないし、静かなもんよ!

と姫花が座ると

「こんにちは! 友達になろうよ!」

「名前なんていうの?」

「どこの中学出身?」

「っていうか、かわいくない? 彼氏とかいる?」

姫花の周りはあっという間に男子生徒で囲まれてしまった

なんなのこれ? かなりむさ苦しい・・・

どうしようか・・と考えていると

「キャー!!!」 「なんでいるの!!!」 「カッコイイ!!」

廊下の方で女生徒の騒ぎ声が聞こえる

歩いてきたのは、芸能科の潤也

芸能科の生徒が普通科の校舎に入ってくることは、通常ない

「ねぇ、1年C組ってどこ?」と近くにいた生徒に聞いている

「えっ!? あっ・・あたしですか!?」

「そう! 君♪」

「あのっ、そこです!!」

「ありがと♪」と潤也は教えてくれた女生徒の肩をポンと軽く叩き、言われた教室の扉の前に立った

「おい! 姫花!! 帰るぞ!!」と大声で叫んだ

しかし、教室を見渡しても姫花の姿はどこにもない。ただ、1箇所だけ、学ランで隠れている場所があった

その集団に向かってもう一度「おい! バカ姫!! 帰るぞ!!」と叫んだ

するとようやく、その集団から姫花が顔を出し

「やだ! 最後のHRまで出る!!」とだけ言い、また座ってしまった

「ンだよ!」と潤也は一瞬で機嫌が悪くなる