無愛想な彼が私を見ない理由




………手を伸ばせないのは俺の方なのに。


『いいなぁ、葉月ちゃん。

柳くんと隣の席だ……!』


近くの席からボソボソと小さな声が聞こえる。


『……でもさぁ、柳くんってよく葉月ちゃんに話しかけてるよねー……』


……俺もそれが気になる。

例えもし、それが“好き”だったらどうなるんだろう。


こんな数日間で好きになるものか?

……よく分からない。


けど、あの日。

本屋で会った日から数えればそこそこは……。


そこまで考えて、

俺は目線を外にずらした。