-Mai-side
あれから、私は屋上から出られないでいた。
涙が止まらなかった。
「…大塚?」
誰かに名前を呼ばれた。
私が、ハッとして顔を上げたらそこには、
「か、海城くん…?!」
そこには、同じクラスで、浩哉と同じ位人気のある海城 弓弦(カイジョウ ユヅル)くんがいた。
ストレートでさらさらの黒髮
身長は浩哉に負けないくらい高い。
まさにモテ王子と呼ぶのがふさわしいような人。
「大丈夫か?」
「あ、これはあのコンタクト!コンタクト上手く入らなくて…!」
私はとっさに考えた嘘を着いてしまった。
「悪い、俺あそこで寝てて、全部聞いてたんだ。」
うそ…聞かれてたんだ……

