「いや、いいけど…彼方ってヤツ、佳織ちゃんの事好きなのか?」 と浩哉が 私にだけ聞こえる声で言った。 「やっぱり、気付いた?」 「あぁ、見ればな。」 そう言うと、 浩哉は彼方の方へ行き、耳元で何か話していた。 それを聞いた彼方は、ニヤニヤして 「浩哉はいい奴だという事がよく分かった!よし、歌うぞ!」 と態度があからさまに変わった。 私は彼方の変わりように驚き、浩哉に聞いた。 「彼方に何言ったの?」 「ああ…俺は彼女作らないって決めてるんだって言ったんだ。」