「凛おはよー！」

それを聞いてみんな挨拶ラッシュを始める。

「おはよー！」
玄関に向かう生徒のほとんどが凛に挨拶をする。

「みなさーん、おはっよーん！」
凛は大声で返事をする。

「おはよ。朝から人気者だね。」

背後から声が聞こえた。


「あ、真由おはよう。」

真由は、歩く早さを変えないので仕方無しに立ち止まって待つことにした。

真由とは保育園からの付き合いだ。幼い頃から仲が良く、喧嘩もしたことがない。

そして、真由は私の尊敬する存在だった。
真由は、誰もが振り返る美人で、クラスの恋愛マスター。
真由のアドバイスは的確で、そのおかげで恋が実った女子は数しれない。
男を見る目も確かで、女子が気になる男子の相談をちょっとしただけでそいつがその子にとって本当にいい男なのかどうかも見極めてしまう。

これは、噂だが警察沙汰になるような酷いことをされそうになった女子も救ったとかなんとか....。


男にも女にも人望を持つ真由を本当にすごい。大抵モテる女は女に嫌われると相場は決まっているが真由は違う....。

自分の本当の姿で他人の人望を手に入れるなんて、何だか羨ましいな。

「ちょっと、凛。どうしたのボーっとしちゃって！」

ダメダメ！切り替えなきゃ！

「ちょっと、風を感じてたの」
凛は笑う。

「何それ？」

「真由も自然を感じて生きてみなよ。」

「結構です！」

真由は、笑って足早に玄関に向かった。

「ちょっと待ってよ！」