それから、ちょっとたってチャイムがなった。 チャイムは小学校のときと変わらないんだな。 今日は中学校、初日。 いきなり授業はないから、俺たちはさっそく帰れる。 なるべく由莉奈から避けながら帰ろうとしたが、由莉奈が俺の肩をつついた。 げっ……。 けど、俺はあえてなにもなかったような顔で言った。 「なに?」 由莉奈は少しむすっとして言った。 「なにじゃないでしょ。」