「うわ、中村先生!」

梨花が一人でポツンとしてた中村さんの名前を呼ぶ。

それに気づいた中村さんは、心底めんどくさそうな顔でこっちに歩いてくる。


「何だよ」

「中村さん明日それ着るの?」

「…このクラスにいるときだけな。ったく、俺のはいいって言ったのに。」

中村さんは篠原先生と同じ吸血鬼の格好をしてブスッとしてる。

まぁ、嫌いだもんな、こういうの。


「お前のは?魔女?」

「うん、魔女!どう?」

「普通。」

「可愛いとか言えないんですか。」

中村さんとなら、こんな風に気軽に話せるのになぁ。

これが篠原先生相手だとどうしてもこううまく話せない。

確かに中村さんもイケメンだし若いしみんなに人気だけど、中村さん先生だし。