ねぇ、先生。


はぁ、とため息をついて顔を上げた。

そして、息が止まりそうになる。


……篠原先生と、目が合った。


いつもコッソリ見てた彼が、ジッとあたしだけを見つめていた。

顔に熱が集まるのが自分でも分かる。

心臓だって強く波打ってる。


「咲良、ボーッとすんな。」

「へっ?あ、はい…!」

中村さんの言葉に慌てて目をそらす。

危ない危ない。

「さっそくだけど今日、放課後残れよ。」

「はーい…」

怠いけど梨花と一緒ならいいか、何て思って素直に頷いた。

…あとで後悔するなんて思っても見ずに。