「ねぇ、拓真嘘だよね……
萌が言ってることなんて嘘だよね!?」

私はあいつを必死に揺らす。

「嘘だよね?
私達、小さい頃から一緒にいたでしょ!?
私にこんなことしないよね!?」
「うるせーんだよ!!」

あいつは私の腕を思いっきり振り払った。

「バカだよな、お前。
俺が本気でお前を好きになると思った?」

そう言って笑うあいつの姿は
今までに見たことなかった。

「お前なんて、好きじゃない。
勘違いすんな、むしろ嫌い」
「……え?」

たくさん喧嘩はしてきたけど、
嫌いなんて言われたこと初めてだった。

「だって、実彩ちゃん?
どうやら実彩ちゃんの片思いだったらしいねー。
アハハハハッ!!」

高い笑い声が私に怒りを運んでくる。

「許さない……許さないから!!」
「あら、勝手に言ってれば?
この後どうなるかも知らないで」

そう言った瞬間あいつの手から
ギラギラと光るカッターが握られていた。

「え、何……何するの……やめて……」

私は後ろに少しずつ下がっていく。

が……

ーガシッ

後ろに誰か人がいて私を抑えつける。

顔を見るからにいかつい男の人。

それにどんどん近づいてくるあいつ。

「いや……やめて……来ないで!!」
「お前ウザイ。重すぎ。
消えてくんない?」

私の腕に冷たい感触が当たる。

「やめて……いや、痛っ……」

鋭い痛みとめどなく溢れてくる真っ赤な血。

「もっと俺を好きになれよ?
めちゃくちゃにしてやるぞ?」

そう言って私の体にどんどん傷跡を残すこいつは
悪魔のように笑っている。

「アハハハハッ!!
まだ終わりじゃないわよ?
ここからがショーの始まり。
Let's show time!!」

萌がそういうと私は
男の人に地面に叩きつけられた。

「痛っ……」

背中に走る激痛と流れる血のせいで
私は抵抗も出来なくなる。

「死んで?」
「アハハハハッ!!」

耳元で囁かれたあいつの低い声と
萌の甲高い笑い声で私は意識がどこかに行きそうだった。

それから私は男の人に何発も何発も殴られて、
あいつにはたくさん体に傷をつけられた。

「いやぁーーーーーーー!!」

私はただ泣き叫ぶことしか出来なかった。

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