「は、恥ずかしいよっ…」 そう言った橘は頭ごと布団の中に潜ってしまった。 「あっ、ごめん…」 同時に俺は右手を引っ込めた。 一気に右手が寂しくなる。 「でもね」 次の瞬間、橘はひょこっと頭を出すとこう続けた。 「皮肉だけど父親のことで今までまったく関心がなかった心理学に興味が出てきたの。自分のことをよく知りたくて。だから、将来は心理学を学んで、それから昔から憧れてた学校の先生になりたいなあ」 「それって…」 「うん。青木と同じ道に進みたいの」