やがて、耳を塞ぎたくなるような噂が学年で出回るようになった。 …それは、南くんと汐浬ちゃんが付き合っている、というもの。 そんなもの、信じたくなんかなかった。 でも廊下を歩けば1日に1回は必ず、南くんと汐浬ちゃんが楽しそうに話しながら私の横を通りすぎる。 そして決まって聞くセリフ。 「あの2人絶対付き合ってるよね〜! お似合いだし」 それを聞くたび、隣にいる薺ちゃんは不機嫌になる。 私もどんどん胸をえぐられていった。