竜が教室の扉を開けると、生徒の声が飛んできた。

「鬼セン! 連城崎と何かあんのかー!?」

「…何か?」

竜が聞き返すと、生徒たちはニヤニヤしながら頷いた。

「お前ってさ、あんま笑わねーじゃん。
でも、連城崎といるとよく笑ってんぞ?」

竜は、そういわれて初めてその事に気づいた。

「…そう、なのか…」

竜はフッと笑い、生徒が発見したことについて考えた。そして…

「俺が気づかなかったことにお前が先に気づいたのが気に食わない。
今日の宿題をいつもの二倍にしよう」

「ぎゃーっ!?
鬼センオーボー!!」

「漢字を書けるようになってからその言葉を使え」



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