「ほんの少しでいーからよぉ」

「おめぇ、金もってんだろ?」

「それにしても、春休みまで補習かよぉ~?」

「坊ちゃん高校は違うわー!」

男たちがゲラゲラと笑う。
今にも泣き出しそうな男子校生と、不良男たちの間にエルは割り込んでいった。

「ダセーマネはやめとけよ。
お前らの低レベルさが浮き彫りになるだけだぜ?」

男子校生を庇うように立ち、そう吐き捨てた。
すると、男たちはエルの腕を掴んだ。

「でしゃばんしゃねぇよ。
怪我したくなけりゃぁ、逃げ出しな。
勇ましいオネーチャン?」