竜がドアノブを捻ると、ドアはいとも簡単に開いた。

「は…!? 鍵、閉めてないのかよ…!」

竜は、驚きと呆れが混ざった思いでエルの部屋の中を覗いた。

女性の部屋に何の許可もなく入っていいのかという
自問は一瞬あったが、相手は連城崎だ、という答えで
結局入ることにした。

「…連城崎、起きろ」

エルの部屋は、余計な物は置かれていなく、非常にシンプルだった。

備え付けのベッドに横たわり、すぅすぅと寝息を立てるエルは、
起きてくる気配が無い。

竜は、とりあえず目覚まし時計を掴み、エルの耳に当てた。

「っ!!?」

隣の部屋まで届くような大きな音が、エルの頭を駆け巡る。