新米教師"L"

「お、おおー、カノン、どーした?」

ぎゅうっ、と強い力で抱き締められ、エルは少し苦しそうだった。

「変なことされんなよ!? つーか、デートやだ!!」

駄々っ子のようなカノンの背中を、エルはポンポンと叩いた。

「ぱーか、大丈夫だって! 竜だし、出掛けるだけだしよ?」

そっか、とカノンが呟こうとしたとき、セイがカノンをエルから剥がした。

「…ちっ、鬼蘭のやろぉ…」

明らかにイラつきながら、セイがボソッと言うとエルはセイの頭にぽんと手を置いた。