現国の時間。

頬を腫らした1Dの生徒たちは誰一人口を開かず、
エルが来るのを待っていた。

「よぉーし、楽しい現国の時間がやって来たぞー!!」

にこにこと入ってきたエルに、ほっとする生徒もいれば、
逆に、これは何かがあると警戒する生徒もいた。

「…と、そのまえに…
お前ら、何か言うことはないのか? ん?」

いきなり声のトーンを低くしたエルに1Dの生徒はびくりと身体を震わせた。

「朝は授業の時間になってしまったからビンタで勘弁してやったが、
お前らは、私に言うことがあるよなぁ…」

エルはボールペンをぱきりと折った。

カノンが勢い良く立ち上がった。

「すんませんッしたああぁァッ!!!」

「「「「すんませんッしたああああああッッ!!!!!」」」」

カノンの謝罪を合図にするように、
1Dの生徒全員が立ち上がり一斉に謝罪をした。

「…よし!」

エルが頷くと、生徒はやれやれといったように席に着いた。