セイは頭をボリボリ掻きながら言った。

エルは少し驚いたように目を見開いた。

「カノンを叱ってくれたことと、あと、仲直りも、できたし…」

エルはにっ、と笑った。

「そんなことかよ。私はおめーらの先生なんだから、当たり前だろ?
喧嘩とか、仲直りは、お前ら自身の問題だ。私は何もしちゃいねーよ」

「そう、か…、ありがとな…」

「ふふっ、べっつにー?」

エルはセイの頭をわしゃわしゃと撫でる。

「やめろっ! …くっ、くすぐってぇ…!」

セイとエルは、二人で笑っていた。

時計がセイの目に入った。

「あ、もうこんな時間か…。悪かったな、いきなり押しかけて。
…じゃ、俺戻るわ」

「おうっ」

セイは立ち上がり、扉を開けた。

「おやすみ、エル…///」

「…え」