声のトーンを下げて急に
真面目モードに切り替わったタツさん


「サク、知ってると思うが俺たちは盗賊だ
つまり、お前にとって俺たちは敵ってことだ
俺たちはお前と一緒にはいられない」


つまり私たちが会うことは、もうないのだ


「嫌です……絶対嫌です!
折角お話しできたのに……初めて出来た友達
なのに……そんなの絶対嫌です!!
もう……私を1人にしないでください……」

「サ…ク……?」


いつの間にか私は泣いていた
何故か分からない
いや、分かりたくないのか…
昔を思い出すのが嫌なだけだ
もう、昔みたいに1人になりたくないのだ
今日初めて会った人なのに…
盗賊だったのに……
私にはこの人たちしかいないと思った


「お願いだから……もう少し……そ…ばに…」


あぁ……
タツさんとシンさんの声が遠くの方から
聞こえてくる
その声を聞きながら私は意識を手放した

…………―――


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