「…俺のおかげ、なんだ」 あたしの言葉を受けて、坂城君がそう呟いた。 この時、伏せていた顔が見えなかった。 けど、きっと悪だくみの顔をしていたに違いないと、今になって思う。 「そうだよ」 この、「そうだよ」が、彼のピストルの引き金を引いてしまったんだろう。 「つまり…俺に大恩があると?」 「…っ、へ?」 顔をあげた坂城君は、悪そうな笑みを顔に浮かべてた。 嫌な予感。 でも嫌な予感がした時―――――、もう遅かったんだ。