カチッカチッカチッ
時計の音がいつもよりよく聞こえる。
すると、歩いていた男の長すぎる足は止まったが、
「チッ」
?
舌打ちをすると、一瞬の内に男の人の足はまた出口へと動かされた。
そして、出て行ってしまった。
.....はぁ?
何よこいつ!今舌打ちしたよねぇ?舌打ち!むっかぁぁぁーーー‼
ん?あれ?そうだ、このひとって....
‼‼‼‼
私はさっきまで怒っていて真っ赤だった顔を今度は真っ青にさせた。
わ、私あの人こと思い出した...あの舌打ちで、思い出した!
あの人って...2年の“北園里 大征”だよ。
美しすぎる顔とは裏腹に、冷たい目とほとんどしゃべらないところから“冷艶貴公子”って呼ばれているひとだ...
2年生なんて、ほとんど関わりないから忘れてた...
ま、まずい!私、あの人に喧嘩口調で啖呵きっちゃったよ......
