深海魚Lover


開けられた襖の前に立つ右田の姿に気づかなかった京次。


「右田のアニキ
 いつからそこに?」

「キョウ、久しぶりだな
 家族は皆、息災か?」

「はい」

「そうか

 いつも存在感たっぷりの
 兄弟の姿が見えないと思ったら
 
 ……

 お恥ずかしい話です
 堅気の貴方に組を守ってもらおう等と
 年だけは取りたくないものです」

「兄弟、済まない勝手な真似をして
 
 キョウに私から連絡したことは
 カシラには……」


困っている垣村を背に、京次と顔を見合わせる右田----


「言いませんよ
 私が勝手にここに来たまでのこと
 どうか心配なさらないでください
 
 報せて頂いて、こうして親父に
 会いに来られたこと感謝しています」

「わかる相手で良かったなぁ、兄弟」

「ああ、余計な話をして済まなかったな
 キョウ

 お前に頼めた義理じゃねえのに」

「いえ」

「用は済んだようだな……」


部屋を出て行こうとした右田に京次はあることを聞く。


「右田のアニキ
 ひとつ、お聞きしてもよろしいですか?

 湯河組のことなのですが……」

「どうだ、キョウ

 久しぶりに会ったんだ
 一杯付き合わねえか?

 外で話そう」

「はい」


三人は、本部事務所を後にする。