そしてあたしは教師になった。




 私立高ノ宮学園の教師になった。




 あたしのいい思い出がない母校に。





 いつも一人だった学校に。






 あたしは両親に愛される子どもを見た。




 「お父様!お母様!」って笑う子どもを。




 あたしになかった幸せをつかむ子ども。








 許せなかった。






 それが内田皆子だった。






 許せなかった。




 憎かった。