皆から愛された、まさに天使みたいなお兄ちゃん。




 優秀で優しくて、良い子で。




 絵にかいたような優しいお兄ちゃん。




 あたしもお兄ちゃんが大好きだった。









 お兄ちゃんもあたしを愛してくれた。




 パパとママに出来損ないって叱られてもお兄ちゃんだけはあたしを慰めてくれた。




『景子はいつも通りで良いんだよ。無理して頑張らなくていいんだよ』






 そう言ってお兄ちゃんはあたしの頭をなでてくれた。




 嬉しかった。









 でも憎かった。