「加宮!」
沢山の執事たちが行きかう特別棟。
この学校に通う全員の執事・メイド・SPが、自分のぼっちゃんお嬢様が授業を受ける際はこの特別棟で待機をするみたいだ。
長い授業時間で暇を潰すため、多くの個室が完備されている。
「加宮さんは5階におりますよ、雀璃様。わたくしがお連れしますので、こちらでお待ちになっていてください」
数分後眼鏡をかけた、少し厳しそうな方が連れてきてくれた。
「お嬢様」
「加宮!今すぐ帰るわよ。車を準備して」
「かしこまりました」
伶が電話をする間、僕は伶を連れてきてくれた執事さんにお礼を言う。
「ありがとうございます。・・・でも、どうして私の名前を」
「お嬢様から聞いておりました」
「お嬢様?」
「わたくしは高徳院麗華お嬢様の執事でございます」