「小西さんは高徳院さんたちと仲がいいのかしら?」
「今日、ガーデンでお茶したわ」
「良かったわ。じゃあ席も近くにしましょうか。
内田さん、席をどいてあげなさい。
小西さんを座らせるから」
「えっ!?」
窓際の1番後ろの席に座って本を読んでいた内田皆子が驚いて顔を上げる。
・・・席をどいてあげなさいって、酷くないかな?
「小西さんの席は内田さんの所よ。
前が高徳院さん、右が大河内さん、大河内さんの前が国宮くん、国宮くんの前が神楽くんだから、良い授業を受けられると思うわ」
「あの先生、わたくしはどこに座れば良いのでしょうか」
鞄を持った内田皆子が先生に尋ねる。
「適当に座りなさい。勝手に決めてよろしくてよ」
え?先生?
「か、各務先生、それは困ります」
内田さんが当たり前のことを言う。
「何が困るのかしら」
「普通は転入生の小西さんを適当に座らせるんじゃないんですか?
わたくしはこのクラスの委員長で、前からこのクラスの生徒です」
別に間違ったことは言っていないよね。


