「では失礼いたしますお嬢様。
お弁当は食べ終えましたらわたくしをお呼びくださいませ。
取りに参りますので」
「ありがとう加宮」
綺麗な直角を描いた一礼をした伶は、元来た方へ戻って行った。
「凄いかっこいいわね、雀璃の執事」
「ありがとう麗華。麗華の執事も今度会ってみたいわ」
確かここの学校って、執事とか連れての入学だよね。
「あたくしの執事も確かに優秀ですけど、もう30のおじさん執事ですわよ。
雀璃の執事の方がお若いし優しそうだわ」
ま、伶が若いのは事実だね。
若いからこそ謎が多い人だけど。
あんまり優しくないよ。
厳しいし。
ま、嫌いじゃない。
むしろ大好き。
僕を救った人だもん。


