ある日私は1人、廊下を歩いていた。
ドンッ
バシャッ
曲がり角を曲がろうとして、前の人とぶつかり、ぶつかった人が持っていたバケツの中に入っていた水が私にかかった。
「ご、ごめんなさいぃぃ!!」
急いで謝る目の前の子。
黒い髪を三つ編みにし、膝下スカートの今時珍しい子。
「大丈夫」
「これ、使ってください!!」
差し出されたハンカチを受け取ると、その子は一目散に逃げて行った。
ハンカチで制服を拭いた後持ち帰り、丁寧に洗った私は次の日、その子を探した。
するとその子は同じクラスだった。
教室の隅で1人、本を読む大人しい子らしい。
「あの。これ」
机の前に立ち、女の子にハンカチを返す。


