「あたし、お母さんに捨てられたの。
朝起きたらお母さんいなかった。
冷蔵庫の中は空だった。
周りには灯油らしきものがまかれてた。
あたし、死にたくない。
生きたい。
だから万引きした。
あたし、他に生きる道が見つからなかった。
わからなかった」
「そ、それならしょうがないな」
「ねぇあたし、罪は償う。
だからお母さんに言わないで。
お母さんに言ったら、あたしまた・・・」
「言わないよ。安心して」
あたしはそのあと、少年院に行った。
そこであたしは、1つの出会いを果たす。
「1人、ですかぁ?」
隅っこで膝を抱えながら過ごしていたら、見知らぬ男の子に話しかけられた。
「うん。あなたも?」
「ボクもですよぉ?仲良くしましょぅ?」
「うん。あたしキイ」
「ボクはローマ」
「ローマ?変わった名前ね」


