「値段は気にするな。安いからな」



 小声で伶が言う。




 安い!?



 それ、お金持ちの人がする発言だよ?





 ・・・まぁお金持ちか。




 でも安い買い物じゃないよ?




「色々ある中で1番良いものをご用意いたしました。
お気に召されましたか、お嬢様」



「・・・ありがとう。とても気に入ったわ」




「もし白がよろしかったら、言ってください。
すぐにご用意させますから」




 すぐに用意って・・・。




「良いのよこれで。気にいったわ」




 でもこういう機会じゃないとリムジンなんて乗れないもんね。




 僕は伶に支えてもらいながら、リムジンに乗り込んだ。