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1時。
サタンの格好に着替えた俺は、内田皆子の住む自宅へ向かう。
内田皆子は父親が大学教授、母親が高校教師、兄が小さな会社の社長という一家だ。
周りから見ればお金持ちだけど、高ノ宮の生徒から見れば貧乏だ。
「何なのかしら、用事って」
伶が予め内田皆子に電話し、外に出るよう操作してくれたので、あっけなく内田さんは家を出る。
俺はその後を、ばれないようついていく。
向かう場所は高ノ宮学園。
「・・・もしもし?内田です」
内田さんがどこかに電話をかけている。
「明日もですか?わかりました。今学園に用事があって行くところですの。
何か準備しておくことはありますか?」
誰と話しているんだろう。


