「ええ、わかったわ。雀璃に渡しておくわね」



「ぉねがぃしますですぅ」



 にっこり笑った彼の顔を見て、ふと気が付く。



 白い歯の所々が赤い。



 血っぽい?



 そして目が可愛らしいのに濁っている。



 クスリでもやっているのかしら?




「それじゃぁ」



 カチャン・・・と静かに扉が閉まる。




「何か彼、怖かったですわ・・・」



「真由香?そう思う?」



「彼の手首、包帯が両方巻かれていましたもの」



 さすが真由香。



 視力2,0以上あるだけあるわね。




「リストカット、ってことですか?」



 友貴が小さく呟く。