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「裏で手を回したなんて人聞きの悪いことを言わないでちょうだい冬馬。
ただあたくしはプロの料理人にステーキの美味しい作り方を教わっただけですわ」



「それがいけないんだよ麗華。
毎年模擬店に出す料理は自分たちでオリジナル料理を出さないといけないんだよ。

それなのに麗華はプロの料理人に作り方を教わったじゃないか。
それはオリジナルとは言わないよ」



「良いじゃないの。売り上げが上がったんですから、学校側も嬉しいはずですわ」



「先生たちの目を盗んで短い時間で教わったんだよ?
先生たちを抑えるために友貴の組の人がどれだけの人数関わったと思っているんだよ」



 ギャアギャアと言い合いを続ける麗華と冬馬くん。



「で?結局麗華は何したの?」



「模擬店に出すお料理はプロの料理人から作り方を教わらず、自分たちで作るというルールがありますの。
でも去年わたくしたちのクラスは麗華が勝手にプロの料理人を呼んで作り方や美味しい召し上がり方を教わったんですの。

もし呼んでいることがばれましたら模擬店にお料理を出せないことが決まりですの。
ですから友貴の組の方をお呼びして先生たちがわたくしたちのクラスに向かおうとしていたら力ずくで止めていましたの」




 つまり麗華はルールを無視したってことね。



 しかも力ずくで止めるなんてね。



「麗華のお蔭で僕は後日お父様から叱られましたよ。
勝手に組員を学園に連れて行くな、と。

確かに僕は次期組長ですけど、やはり現組長のお父様の方が偉いですからね」



 友貴くん、大変だったね。