俺はやけに高いビルに連れてかれた。 「ボス、例の子を連れてきました」 「ふむ・・・」 目の前にいる、偉そうな男。 ボスっぽい感じがする。 「名をなんという」 「・・・伶」 「名字はなんだ」 「知らない。僕は施設でそう呼ばれて来た」 母親は加宮と呼ばれていたけど。 「加宮だ。加宮伶」 俺を誘拐した男がボスに伝えた。 「加宮?じゃあお前の関係者か」 「関係者なんてぬるい関係じゃありません。 こいつ、加宮伶は俺の息子です」