今日は心優の入院の日。
僕は見送りに行っただけだ。
そして、明日は手術。
いくら腕のある医者でも難しい治療だと聞いた。
一歩間違えたら・・。
それ程危険な手術だと言う事。
僕はただ、ただ手術が成功する事を願うしか出来なかった。
今日は手術の前日と、言う事で心優は安静にしていなければいけないと言う事で、面会は親族だけで僕は行けなかった。

翌日。僕は心優が、手術室に入る前に病院に行った。
そこで僕は、
「大丈夫。絶対に手術は成功するから!」
と言った。
心優は、目に涙を浮かべながら、
「うん。」
とだけ応え、手術室に入って行った。

それから、僕はずっと手術が成功するように祈っていた。
手術は、10時~17時の計7時間の手術だった。
手術は成功し、3週間程様子見と言う事で入院する事になった。
僕は心優と、笑顔で会う事が出来た。

一週間程経ったある日、病室で心優と会話をしていたら、急に心優が苦しみだした。
急いでナースコールを押し先生を呼んだ。
すぐに手術が行われた。

が、心優ともう一度笑顔で会う日はもう訪れはしなかった。
先生の話しによると、最善の手は尽くしたが、後一歩の所でダメだったと言う事だった。
僕は泣き崩れた。
涙が枯れる程泣いた。
声が枯れる程叫んだ。
でも、もう二度と心優には逢えない。
それでも、まだ現実を受け切れていない。
今は夏休み中だからまだ良かったが、学校が始まっていたら不登校になりかねなかった。
でも、僕は心優の分まで楽しい人生を送ろうと思った。
僕は、心優との少しの思い出は絶対に忘れないと誓った。